ピリングを抑える加工‼︎?抗ピル加工について説明します

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目次

・ピリングとは
・抗ピル加工とは
・どんなメリット、デメリットがあるの?
・まとめ


ピリングとは

ピリングは繊維どうしが擦れ合い、それによって絡み合う事によって束になり、毛玉(ピリングorピル)ができてしまいます。毛繊維には特有のスケール(鱗状のもの)があり、それが多ければ多いほど、より毛玉が出来やすいのですが、獣毛繊維などは比較的、スケールが少ないために毛玉が取れて落ちる事があります。これが「ピル脱落」と言います。

ちなみに、素材は変わりますが暖冬と言われている昨今、ウィンターコットンとして人気のある糸

1/7.4エリカ

https://www.maruyasu-fil.co.jp/departments/monteluce/yarn-collection/718

こちらは簡単に説明するとリリヤーンを編みながらその中に撚りのかかっていない綿のワタを詰め込んでいる特殊な糸で、とても柔らかく「えっ、これ綿なの?!」と思わされる風合いをしております。

糸のその構造上、どうしても毛羽が出来やすくはありますが、綿は繊維長が短くピリングする前に滑脱する故、ピリングは実はしづらいのです。

抗ピル加工とは

薬品につけることにより、 ピリングが発生してしまう原因の摩擦をしにくくさせ、また、繊維自体の強度を弱くすることで、繊維どうしが、絡まって毛玉になる原因を防ぐ加工を言います。
ただ、抗ピル加工をしたからと言って、まったく毛玉ができなくなるわけではなく、毛玉ができにくくなる加工方法になります。

・樹脂加工

糸の表面を樹脂でコーティングしスケールが立ち上がらないようにする加工。

樹脂でコーティングすることによって、風合いが固くなってしまう欠点もありますが柔らかい樹脂などの開発もされています。でも、風合い重視だと樹脂加工はあまりしません。

・オフスケール加工

オフスケール加工とは化学的な手法が一般的で、スケールを薬品で溶かしてしまう方法です。塩素系薬剤を用いることが主流です。

クロイ加工(防縮)・バソラン加工(半防縮)などがあります。

弊社品番だと下記の二種があります

アイナウール 半防縮

https://www.maruyasu-fil.co.jp/departments/monteluce/yarn-collection/11163

メロウ 防縮

https://www.maruyasu-fil.co.jp/departments/monteluce/yarn-collection/703

・ガス焼き加工

糸の表面にある毛羽をガスの炎で焼いて、表面を滑らかにする加工です。

糸を、炎の中を高速で通して毛羽を焼きます。

どんなメリット、デメリットがあるの?

・メリット
メリットはやはり、毛玉が発生しにくくなる事です。
発生しにくくなるため、通常であれば、「お手入れに気を使わないといけない」「着用を連続できない」などなど、こういった不安要素を改善することができるため、非常に着用、お手入れがしやすくなり、綺麗にお気に入りのニットをなが〜く愛用できます。

・デメリット
デメリットは、風合いが少し悪くなります。
やはり、薬品に一度通してしまうので、どうしても元の風合いよりも少し硬く、ごわごわした感じになる場合があります。

まとめ

さて
いかがでしたか?
知れば知るほど、加工って奥が深いですね
ほかにも紹介したい加工があるので、次回までお楽しみに