なぜ、カシミヤセーターは洗い込んでもウールのように縮まないのか?

  • 加工

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先日、友人に招かれ久しぶりに訪れた伊豆河津町
海に注ぎ込む河口から川沿いに拡がる、こぼれんばかりと桜が満開!

ちっよぴり深めのピンクと、菜の花とのコントラストが絶妙で、
ひとあし早~い春を満喫してきました。

無名だった河津桜も、このところ訪れる観光客は国際色豊かで、
これもSNS効果なのかと思わされます。

そして、もうひとつの春といえば、卒業、入学、入社と、親しい人たちとの別れがあり、
そして新しい人たちとの出会いがある。

春は出会いと別れの季節、そんなことを感じながら、
社会人にとっても気持ちを新たに期が移る季節になりました。

おはようございます。丸安毛糸の福田です。

さて今回のお話は、春なのになぜか?カシミヤのお話し(笑)
以前、ブログで紹介しました内容を新たに(リライト)してお届けします。

目次

  • 目次1なぜ、カシミヤは洗い込んでもウールのように縮まないのか?
  • 目次2なぜ、カシミヤは洗い込むほど風合いが良くなるのか?
  • まとめ

なぜ、カシミヤは洗い込んでもウールのように縮まないのか?

カシミヤとウールが異なるポイントはなんでしょうか?
実はこの画像にヒントが隠されているのです。
ウロコ状の凸凹に注目!!

ウール カシミヤ

『画像提供:一般財団法人ケケン試験承認センター』

画像左がウール、右側カシミヤスケールの間隔と比較するとウロコ状のものがびっしり連なっていますね。
カシミヤのほうが間隔が広く、スケールそのものが少ないのがわかります。
もともとカシミヤはスケールが少ないので、繊維どうしが絡みあわないので縮みが少ない。

なぜ、カシミヤは洗い込むほど、風合いがよくなるのか?

カシミヤは、ウールと比較すると繊維が細いので同じ太さの番手なら、
構成繊維本数はウールよりも多く、そのため繊維間に空気量が多く含まれるので、
しなやかな膨らみを得ることができるのです。

Cashmere-A

そして、ウロコ状凸凹ささくれたスケールそのものが極めて少ないので、
ウールのようなチクチクした肌触りではなく、ヌメリ感と光沢に優れている。

以前ブログで紹介しました素材の特徴を活かし洗い込んだカシミヤセーター

Cashmere-1

 

写真のベージュが着用を繰り返し、何度も何度も洗い込んでセーターだが、しっかり編み目の形状が保たれています。

お客様の要望から始まったホームクリーニングの水洗いのテスト、一番過酷な洗い方は、洗濯機で30分回し続けたこと。

高価なカシミヤをここまで洗いこむなんて、正直なところ不安でしたが、実にあらたな発見でした。

カシミヤの産毛(スケール)ミクロの世界を知ることで、風合いを最大限引き出すことができるのだと思います。

自ら体験することの裏付けがあってこそ、現在も4シーズンにわたり自信をもって販売していただいてます。

まとめ

ウールのセーターと比較すると高価なカシミヤですが、何が高価なのか?希少性?
ただカシミヤだから風合いが良いのはあたりまえですが、カシミヤが本来持っている機能性を理解すれば、過酷な扱いをしても、ウールように毛と毛が絡み合わないので、
いつまでもなめらかでふくよかな風合いが持続するのです。