ニット製品の風合いを良くする繊維水溶性ビニロン
- ニット糸の取り扱い方法
- 投稿日:
- 2018-01-12
- (更新日:2020-06-27)
今年の冬は寒く、雪国では例年以上の降雪になっているようです。
逆に南関東では晴れの日が多いので、乾燥をした状態になり、かぜに掛ってしまった方が増えています。
皆様はどのようにお過ごしですか。寒空のなか今年も釣りをしている丸安毛糸の田崎です。
今回はニット製品の風合いが魔法の様に良くなる、水溶性ビニロンをご紹介いたしますので、最後までお付き合いをお願いいたします。
目次
- 目次1 水溶性ビニロンとは
- 目次2 水溶性ビニロンの処理方法
- まとめ
水溶性ビニロンとは
ボリビニルアルコールを原料にした合成繊維で、文字通り水(お湯)に溶ける繊維です。
繊維のタイプに寄り溶解をする温度に違いがあり、25°~95°まで数種類のタイプがあります。
水溶性ビニロンの処理方法
1、溶解温度
先に述べたようにタイプに寄って溶解温度に違いがありますので、溶解処理温度以上に昇温してから処理をしてください。
溶解処理中は過熱を続け処理温度を下回らないようにしてください。
2、溶解の浴比
溶解をした水溶性ビニロンを分散させるために浴量は多い方が良く、投入物を1に対して浴量は30以上が効果的です。
3、溶解時間
通常は溶液に投入をしてから10~20分くらいですが、度目が強い時には30分以上かかることもあります。
4、すすぎ
溶解が完了しましたら、新しい温水でオーバーフローさせながら洗浄をし、水溶性ビニロンを完全に流し落としてください。
まとめ
冒頭の写真のスモーフは水溶性ビニロン45% ウール55%の混紡糸ですが、溶解処理をした後はウールだけが残りウール100%になります。
製品の持ち掛りが200gとしたときに溶解処理後は110g、水溶性ビニロンが溶解をしたところは空洞となり軽くて風合いの良い商品になります。
最後に注意点としては、温度が低く溶解が進まなかったり、浴量が少なく溶けきらなかったりした場合は直しにくいので充分注意をしてください。
今回も最後までお付き合いを頂きありがとうございました。
繊維の特徴をご理解していただきご使用をして頂ければ幸いです。
次回もよろしくお願いいたします。