ニットに使われる獣毛とは?お馴染みの名前もどんな姿かご存知でしょうか?
- 繊維と糸
- 投稿日:
- 2019/7/29
- (更新日:2020/6/27)
皆さま!こんにちは!
ニットには様々な獣毛が使われています!
カシミヤ、モヘヤなどはお馴染みですね?
ところでそれぞれの動物がどのような姿かご存知でしょうか?
どの様な動物から大事な毛を使わせて頂いているのでしょうか?
この業界では長い私も改めてイメージと違った動物もいましたので皆さんにご紹介します!
ウール(メリノ種)
最もお馴染みのウールからですが最も代表的なメリノウールです。メリノウールとはオーストラリア、ニュージーランドで飼育されているメリノ種の羊の事です。保温性が高く最も高級なウールとされています。
1優れた保温性
2.高い防臭力
3.通気性の良さ
4.肌触りの良さ
以上のメリットが挙げられます。(繊維直径19~24マイクロン)
カシミヤ
引用元 http://knittingbird.com/2017/07/25/5716/
次は高級ニットに使われるカシミヤです。カシミヤ山羊の毛です。(羊ではなく山羊なんですよ!)
非常に暖かい高級素材で有名です。中国、モンゴル、ネパールの高地に生息し一頭から150g~250gしか取れません。
1.肌触りの柔らかさ
2.繊維表面の滑らかさ
3.着用時のあたたかさ
4.表面のスケール(うろこ)が少なくウールに比べて縮みづらい
5.軽さ
以上の特徴が挙げられ繊維はビキューナに次いで細くなります。(直径14~16マイクロン)髪の毛を真ん中で分けておしゃれな奴もいますね!(笑)
アンゴラ
引用元 ja.wikipedia.org/wiki/アンゴラウサギ
次にアンゴラですがこれはアンゴラウサギから取れる毛となります。そうなんですうさぎなんですね!私も昔知ってときにはそんな小さな動物の毛で大丈夫なのかな?とビックリした記憶が有ります。
3KG程しかない身体から刈り取るので貴重ですがデリケート過ぎる為にウールや合繊と混紡されることが多くなります。
1.色が白くシルクの様に細く滑らか
2.中が空洞の為に保温性に優れ暖かい
ただ表面にうろこが無く抜けやすいデメリットが有ります。
また近年地域によって刈り取り方が違う事が問題となり不買運動などが起こったりしています。
アルパカ
引用元 www.city.nagaoka.niigata.jp/kankou/miru/arupaka/
刈り取り直後
引用元 www.gizmodo.jp/2013/01/roomie_37.html
お次は中々親近感のある顔をしたアルパカです。主に南米の4~5000Mの高地に生息しています。それにしても何故顔だけ残しているのかは不思議です(笑)
1.光沢が強い
2.滑らかで弾力が有る
3.非常に強い
以上の特徴を持っています。
モヘヤ
引用元 ja.wikipedia.org/wiki/モヘヤ
お次はモヘヤです。アンゴラ山羊から取れる毛をモヘヤと呼びます。モヘヤと言う動物はいません。非常にお馴染みの有る名前ですが、どのような動物かご存じ無かったのでは無いでしょうか?
1.シルクの様な光沢が有ります
2.非常に弾力性が有り耐久性が有る
3.こしが強い半面抜けやすいデメリットが有る
ビキューナ
高級すぎて全くお馴染みではないビキューナについて御紹介します。カシミヤ以上の最高級素材として扱われてきました。南米高地(3500~5000M)に生息しカシミヤよりも軽く暖かい毛を持っています。(繊維直径10~14マイクロン)非常に高価ですが、これは頭数が少なく(一時は絶滅寸前まで減ってしまった)二年に一度しか刈り取れずにまた一度に250~350g/頭しか刈り取れない為に非常に希少性が有り高価で取引されています。
1.繊維直径10~14マイクロンと非常に細い為に非常に軽い
2.光沢が有る
3.暖かい(実は私は縁あって一枚セーターを持っているのですが私には暖かすぎて(暑過ぎて)ほとんど着れる機会が無いほど暖かいんです!)
因みにアルマーニでビキューナスーツが有るそうですが¥6,500,000だそうです!
キャメル
引用元 www.991.co.jp/material/camel/
お次はキャメル!そうです らくだです!ただニットに使われるのは二こぶラクダだけだそうです。
年に一度生え変わる時に出る内側の柔らかい毛のみが使用されます。
1.寒暖差の有る地域で生活する為に保温性が高い
2.吸湿性が繊維中最も高く、また放湿性も同様に高い為にさらっとした肌ざわり
3.バルキー性(ふくらみ)が高い
4.染色性が悪くナチュラルカラ―で使用される事が多い
この様な特徴を持ち日本ではあまりなじみは少ないですが、欧米では高級ニット糸として扱われています
ヤク
引用元 www.zutto.co.jp/blog/category/brandstory/271
お次はヤク!ウシに非常に似ていますがチベット地方の3000~6000Mの高地で古くから家畜として生育してきました。荷役に始まり、肉、乳、体のすべての部分が人の役に立っているそうです。
セーブル
引用元 https://www.knitmag.jp/20589
セーブルは高級毛皮の方が有名です。ロシア産の毛皮はロシアンセーブルとして最高級品として有名です。ニットに使用されることは非常に珍しいのですが、弊社にはセーブル20%カシミヤ80%のセーブリッチと言う非常に評段の良い糸を販売しています。(ただし日本ではセーブルと言う固有名詞が表示法には無く毛と表示されます)
以上ニットに使用される代表的な獣毛について御紹介しましたがご存じ無かった動物もいるのではないでしょうか?
長くなってしまいましたが最後までお付き合い有難うございました。
ではまた!