ニットの中でも皆様になじみの少ない経編(たてあみ)について深堀してみましょう!
- ニット製品や糸を生産する工場
- 投稿日:
- 2020/8/19
- (更新日:2020/8/13)
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最近は長梅雨が明けた後、連日30度半ばという記録的な暑さが続いていますが皆様はどんな毎日をお過ごしでしょうか?
お盆の帰郷も諦めざるを得なかったコロナ禍は、まだまだ続きそうですが、ウィズコロナを前提として自分に出来る事を粛々と進めるほか無いようですね!頑張りましょう!
ところで今回は、これまでご紹介していなかった経編(タテアミ)について深堀してみます。
長年繊維に携わってきましたが、ストールなどで見掛ける他は、経編(タテアミ)は身近では有りませんでした。
表に有ります通り繊維生地には、経編(タテアミ)、緯編(ヨコアミ)、丸編、織物と分かれます。
その中で編み物(ニット)は、丸編み、経編み(タテアミ)と緯編み(ヨコアミ)に分かれます。
経編(タテアミ)とは?
経編機
(トリコットの代表的な組織)
経編とはまず、整経されて並行に並べられた多くの経糸によって縦方向に網目を作っていく編み方となります。
特徴は生産性が高く、織物と緯編み(ヨコアミ)の中間の様なカッチリとした編地が可能です。
また緯編みと比べ一般的に薄い生地が多くなります。毛羽のある紡績糸(短繊維)は編みにくい為にフィラメント(長繊維)の糸使いが大半となります。
トリコット、ミラニーズ、ラッセルという種類が有りますが、衣料用としてはトリコットが最も多く使用されています。
経編の工程
原糸を的確に調整されおよそ600~800本の糸がビーム(ボビン)に巻き取られます。
多数の糸を同じ張力で平行に、一定の速度で巻き取っていきます。毛羽発見器や糸本数測定器を用いて、次の編立工程で不具合の原因とならない様に厳重な品質管理が必要です。
整経工程でビーム(ボビン)に巻かれた原糸を編み機にセットして編立を行います。
色々なチェックは職人の手で行う事も多くあります。
デジタルな管理下でも目視での検品などは必要です。
最終的に編み上げてこのようなロール状となります。
編立てた後に、整理加工という洗い、風合い出しの工程が有り、生地を縫製工場へ出荷し、次の工程へと進んでいきます。
まとめ
伸縮性に優れ、形状安定性に優れ、風合いが良く、様々な特徴(保温、吸水速乾、抗菌、防臭)を持つ糸を使用する事で経編生地は特に、インナー(下着)、スポーツウェア、フィットネスウェアに多用され、資材としては車のシートカバーに広く使われます。
また人工心臓に使われ、画期的な発明となったシルクを人工血管に使用した発明も経編生地であり、小説のモデルとなっています。(下町ロケットガウディ計画)
経編を使用した製品例
皆様如何でしたでしょうか?
なじみの薄い経編ニットですが、以外にも身近なアイテム(下着、スポーツウェア、シートカバー)に使われていましたね!
ではまた!
—画像引用元–
画像引用元https://kurosu.info/system/
画像引用元 apparelx-news.jp/apparel-material/fabric/tricot1121
画像引用元 http://www.imaikigyo.ecweb.jp/production/warping_process/