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どうもみなさんおはこんばんにちは松井です

このブログを書いている今は来年の春夏素材の展示会がスタートしており、展示会場の福島よりお届けしています。

本日は気持ちの良い快晴です。

 

 

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福島はこれから桜の綺麗な季節を迎えます。
東京は今年は満開の時期の週末が共に天気が優れなかったので、少し羨ましいです

 

 

さて、本日の私の内容は

 

斜行糸の不思議について記述していきます。

 

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斜行糸の不思議

 

 

斜行糸とは、右か左どちらか一方方向の撚りのバランスが強い、

あるいはその方向のみしか撚りが入っていない場合に
天竺の編地を編んだ際に、
その方向に捻れや傾斜が発生する糸を指します。

丸安毛糸でも、既存でこの斜行糸のアイテムがいくつかあります

一つはこれ

クレスタ

 

 

クレスタという糸で
綿が70%麻が30%の混紡糸
綿番手の30単糸です

この糸は勿論単糸なので斜行するので写真の様に
傾斜を利用したデザインの編地が表現可能です。
続いてはこちら

スポエリーアイスコットン

 

アイスコットンという糸で
綿100%の
綿番手35番単糸です。

こちらも先程の”クレスタ”同様

単糸なのでもちろん1本取り編んだ際はその編地は大きく菱形を描き

斜行することが確認出来ます。

 

 

さて問題はこちら

シケイン

こちらこの春夏展より

新作としてお披露目が始まった糸で

名前は”シケイン”といいます。

 

この糸はウール100%の 番手は48番単糸です。

特徴としては通常のウール糸よりかなり撚りを込めているので

一見 組成を見ないで触るとウールとは思えないようなドライなタッチをしています。

 

さて本題に戻ります

この糸 繰り返しになりますがドライなタッチを表現するべく

撚りを通常より込めています。

ということはすなわち、糸自体は単糸で一方方向にのみ撚りが掛かっており

その撚りが通常より更に込められているということは

当然その斜行の度合いもかなりきついものになるというのが

 

普通に考えた場合の通りになります

 

 

 

 

が,,,,,,しかし

 

 

 

 

この糸

 

 

 

 

ほとんど曲がりません。

 

曲がらないという事実は

この糸を作って

試編みを繰り返した後に後から判明した結果で

当然この糸を企画した私も 当初想像だにしませんでしたし

未だににわかに信じがたい結果なのですが

しかし、曲がっていないその編地を目の前にした今

これは紛れもない一つの事実なのです。

 

 

実はこの糸の前にこんな糸も私達は販売していました

 

ソフトアルパカカーゼ

この糸は”ソフトアルパカガーゼ”という名前の糸で

アルパカ30% ウール70%の混紡の 50番単糸で

先のシケインより先に開発 販売をスタートしていましたが

 

実はこの糸も単糸で編んでもあまり曲がらないのです。

 

 

”シケイン”にせよこの糸にせよ何故ほとんど曲がらない(斜行)しないのか??

 

その理由は染色にあります。

 

糸を染色をする際当然、

水で染める訳でもなく、その染める糸の組成に応じて

窯の温度を調整し 温度を上げて染料を吸着させていきます

 

皆さん、想像して下さい

服や編地にアイロンを充てる際、多少形の歪んだものでも

熱と蒸気を充てて整え、その整えた形を安定させるため

バキュームで熱を冷まします。

 

 

これと同じことが染色の際でも

起きているのです

生地糸の状態では確かにあった一方方向のトルクが

熱と水分の中で長時間セット そして冷まされることで

この糸のトルク自体がセットされてしまうという作用が

起きているのです。

 

そのセットの程度がどうやら綿や麻に比べウールだと

程度が大きいというのは開発を繰り返していくことで分かったことです。

 

 

 

「いやいや、待ってよ 私ウールでちゃんと斜行している糸

知ってるし 使っているよ それはいったいどうやって説明するわけ??」

 

それに関してもちゃんとした理由があります

 

一つはその糸が糸染めで行ったものの場合、

それは染色した後に

もう1度撚糸を行い追撚作業を行っています

 

もう一つはその糸が糸染ではなくトップ染色を行った糸の場合で

トップ染色の場合 糸にする前にわたの状態で染色を行うので

先に記述した窯でのセットの可能性が無くなります

 

 

取り分け上記のことから、

斜行をデザインに盛り込むことを目的とした企画を行う場合

すでに斜行糸として販売されている品番を使用する場合は

大丈夫ですが、

織糸などで展開されている単糸をバイオーダーで

染めて使用する場合、あれ単糸を使ってるはずなのに

想像と全然編地の雰囲気が違ったなんてことが起きるので要注意です

 

 

 

後述:ちなみに

”ソフトアルパカガーゼ”にせよ”シケイン”にせよ

ちゃんと曲がらない単糸なんて未完成品じゃないか!!.....と御叱りを頂く前に(笑)

誤解の無い様ちゃんと補足をしておきますが

トルクをしっかりと立て斜行する糸はその傾斜からくる表情に

エッジがあり、それはまたその糸の一つの特徴 雰囲気となりますが

トルクの弱い、しじら状に編地が歪むその表情はそれはそれで決して未完成品などではなく

独特の雰囲気 匂いのようなものが有り双糸のそれにはない味があると私は考え

それを演出する意図を持たせた素材だということは是非お見知りおき下さい

 

 

 

では

記事の内容やニットに関することは、お気軽にお問い合わせください

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松井 裕作

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記事を書いた人

1児の父です。
最近はもっぱら体を鍛えることにはまっており

最近は娘が私の飲んでいるプロテインの作り方を覚えたようで
私が飲む時は”私に任せて”と言ってシェイクしてくれます

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