ニット原料を知ると製品作りが楽しくなる(シルク編)
- 繊維と糸
- 投稿日:
- 2015/6/30
- (更新日:2020/6/27)
シルクの原料(光沢が豊かで柔らかくとても細い原料です。
うっとしい梅雨に入りすでに3週間がたちました。ここ数年の梅雨は以前のような、始まりから後半にかけてはしとしとと優しい雨が降り続き、終わりごろになると雷をともなった激しい雨になると、もうすぐ梅雨明けだと感じることが出来ました。
ここ数年の梅雨は最初から雷をともなった局地的な豪雨が多く、先日も最寄りの駅から帰る途中に豪雨になってしまい、帰宅をした時にはずぶ濡れでした。
まだ3週間くらい続きますが、今年は災害が無いことを祈ります。
こんにちは丸安毛糸の田崎です。今回もお付き合いをお願いいたします。
今回はシルク糸の誕生、生産国、種類、などを書いていきます。
シルクは遇然から生まれた繊維
シルクの発祥は古く、紀元前約2500年頃の中国で、お湯の中に繭(まゆ)を落としてしまい、それを箸で拾い上げようとしたときに箸に巻き付いてきたのが、絹糸の誕生と言われています。
当初は蚕から糸を製法する技術は中国国内で門外不出とされており、ヨーロッパに伝わったのが6世紀ごろで、日本には弥生時代に朝鮮半島から伝わり、明治時代に著しい発展を遂げ、世界へ輸出されていきました。
シルクの主な生産国
現在のシルクの生産国は、中国、インド、ブラジル、ウズベキスタン、タイ、日本などがありますがその大半が中国です。
現在、中国の生産は家蚕農家は徐々に減りつつあり、隣国に少しずつ移しています。野蚕も取りに行く人が工場勤めに代わり少なくなり、生産量が減っています。
日本に至っては、1950年代は世界の約60%の生産があり、輸出金額も全体の35%ほどを占めていましたが、2012年には世界の生産量の0.2%まで減ってしまいました。
日本も中国も近代化が進むにつれ、生産量が減っています。その理由は決まった時間に餌をあげ、そうじもしてあがなくてはならず、蚕を飼うのが大変だからです。
今後の生産に少し希望が持てるのは日系人の多いブラジルです。最近のブラジルでの生産には機械化を取り入れ、定期的に時間が来たら餌をあげるようになっているそうです。
まだまだ少ないようですが、今後に期待をしていきたいと思います。
シルクの種類
蚕を大別をすると家蚕(かさん)と野蚕(やさん)に分かれます。
家蚕は文字通り、家で飼われている蚕で、桑の葉だけを食べますので、均一で長く綺麗なシルクが取れます。
野蚕は野生の蚕のことで、自然に放し飼いにされ繭を作り、人が一つづつ探して集めるために重労働になり、採取をする人が少なくなっています。
野蚕には天蚕(てんさん)と柞蚕(さくさん)があり、クヌギ、コナラ、クリの葉なども食べますので、家蚕に比べ均一性が落ちます。
天蚕は高級シルクとして取り扱わられ、家蚕と同じ繊維長があり長く、肌触りも良く光沢もありますが生産量はおおくありません。
柞蚕はタッサーとも言い家蚕に次ぐシルク原料で、光沢はあるのですが風合いは少し硬いのが欠点です。100%でも使われますが、他の素材と混ぜて糸にもします。
まとめ
シルクの話は長くなりますので今回はこの辺にさせて頂きます。
次回は、特徴、欠点、製造方法、絹糸の種類などを書いていきます。
今回もお付き合いを頂きありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします。