化学繊維(再生繊維編)
- ニット糸の取り扱い方法

- 投稿日:
- 2015-11-06
- (更新日:2020-06-27)
前回の書き出しでは、『本格的な秋を迎え紅葉の便りも聞こえるようになりましたが、私はいちょうの紅葉よりも銀杏の実が気になります。』 と書きましたので、釣りに行ったときに近くの神社で収穫をしてきました。
昨年も拾って食べてみたのですが、新鮮でつぶが大きく、とても美味しかったので、今年も楽しみにしています。
殻を割って封筒に入れ、電子レンジ30秒で出来上がりです。(20個の調理方法です。)
こんにちは丸安毛糸の田崎です。 今回もお付き合いをお願いいたします。
今回は、化学繊維の中の再生繊維での代表素材、レーヨンの誕生、特徴、欠点に付いて書いていきます。
シルクのような素材を作りたく、化学を持ち得て作り出した繊維がレーヨンです。
シルクは高価な素材のため貴族にしか手に入らなかったので、一般人にも手に入りやすい素材が出来ないかと、研究を繰り返し出来たのがレーヨンです。
人の手によってシルクのような素材と言うことで人絹(じんけん)と呼ばれていました。
レーヨンの原材料は木材(パルプ)の中にあるセルロースをアルカリ処理をして液体にしてから繊維にします。 植物から取り出した繊維を再生しますので、再生繊維になります。
木材を繊維にする方法をビスコース法と言い、その技術からビスコースレーヨンと言われます。それを元に、西洋では上を取りビスコース、日本は下を取りレーヨンと呼んでいますが、実際は同じものになります。
レーヨンの繊維原料には、長繊維(フィラメント)と、それをカットした短繊維(ステープル)の2種類があります。 レーヨンは光沢のある素材ですが、用途や目的よって光沢をコントロールすることが出来、ブライト(本来の光沢)、セミダル(やや艶消し)、フルダル(超艶消し)があります。
ブライトレーヨン
セミダルレーヨン
光沢の違いがお判り頂けましたでしょうか。
レーヨンの特徴
1、原材料を木材からセルロース繊維を取り出していますので、土に埋めても自然にかえり、地球にやさしい。
2、吸湿性、放湿性に優れていますので肌触りが良い。
3、光沢感もブライト、セミダル、フルダルと選ぶことが出来ます。
4、比重は重たいが、それをうまく使うことで、落ち感のあるドレープが出来ます。
5、染色性が良く、光沢のある色が出せます。
レーヨンの欠点
1、摩擦に弱く毛羽が起こりやすい。
2、強度が弱く、水にぬれるとさらに強度が低下する。
3、シミになりやすく、水滴などで輪ジミになってしまう。 (蒸気をあてると解消します。)
まとめ
化学の進歩と一緒に開発が進み、従来のレーヨンは様々な木材を使用し、セルロースを取り出して原料にしていますが、光沢、風合い、染色性などを均一にするために、単一の木材だけを原材料にした素材もあります。これはシルクを元にした考え方で、家蚕シルクは桑の葉だけを食べているので、光沢、風合いなどに均一性がありますが、野蚕シルクは色々な木の葉を食べているので繊維に多少のばらつきが出てしまいます。より良い原料を求めて単一の木材を使用しています。
一例をあげますと、リヨセル(ゆうかり)、レンプール(白松)などがあります。
特徴、欠点を理解していただき使用していただけると幸いです。
今回もお付き合いを頂きありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします。