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2017-18AWテーマ

こんにちは。大久保ちせです。今年も2016年6月28・29・7月1日で開催されたPITTI FILATI79(ピッティフィラティ)に行ってきました。
フィレンツェで行われるPITTI FILATIという糸の展示会にはテーマがあり、 展示会全体にテーマを設けてトレンドを打ち出しています。
テーマは、アイディアを出すためのヒントだと思っています。
私が、PIITI FILATIで見た・知った・感じたトレンドテーマをご紹介します。

目次

  • テーマをざっくり解説
  • テーマをじっくり解説(和訳)
  • テーマの画像紹介
  • まとめ

 

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テーマをざっくり解説

今回のPITTI FILATI79のテーマは、素材がどのようにして日々を彩るかということに注目しています。
とてもカンタンに表現すると、ハッピーになれるニットを作ろう!ということです。

ニットを着ると、ハッピーになれるっていいですよね!

では、どうやってハッピーになれるニットをつくればいいのか?そのヒントになるのが、日々の生活に隠れているということです。
PITTI FILATI79のテーマは「H24」
1日の生活を24時間にわけて、さらに細かく何分・何秒かに分けて、その時々に必要なニットの要素ってなんだろう?と考えてみたり、こんなニットを着たい!という願望だったり。
ニットは、素材の特長がそのまま表現されます。素材の良さを知ると共に、ファッションを楽しむということを改めて考える機会になって欲しいということです。

テーマをじっくり解説(和訳)

te-ma

次に、テーマをじっくり知りたいという方へ、トレンドテーマの文章を和訳してみました。 解釈の仕方で微妙な違いがあるかもしれませんので、ご参考までに。

————和訳————
「H24」というテーマを掲げ、24時間という意味で、24時間がニットで彩られたテーマになっています。

朝起きてから、働き、くつろぎ、眠りにつく、眠りから次に目覚めるまでのそれぞれの瞬間に注目し、適した素材とデザインで作ったニットで生活を豊かにしようという考えです。

素材開発をする上では、物理的要素・化学的変化、感覚とも関係深いを模索しながらの行い、さまざまな需要に対応していきます。この素材開発は大きな可能性を秘めた新しいマーケット区分へ製品の適用性を広げたり、化学的な繊維しか使わないスポーツ服に向けて天然繊維を使ったり、ニットを使わなかったフォーマルウェアに使ったりというような希望 (願望・要望) です。

布帛でしかありえなかった分野へのニットの挑戦ともいえますね。

そして、自分の生活を見つめなおすことが、新しい素材やデザインを生み出すアイディアになることへつながるのです。
H24は、日夜、時間ごとの異なる衣服に必要な、24の「瞬間」・24の色・24の雰囲気・24の感覚・24の身体的ステータスを通して、さまざまな繊維の適用性を探します。私たち自身のことを大事にし、よく知るため、そして、着ている(身に着けている)モノから得られる方法でもあります。

そして、これは私たちが身につけているモノだけでなく、住んでいる場所や、家で着飾ることなど、私たちを取り巻いているモノでもあります。

私たちの幸せな健康と調和を求める冒険は、これまでよりも強く、より広範囲にわたります。
私たちは皆、私たちが誰なのか、労働や遊びで何をするかに関わらず、身体的・精神的な幸せと健康を求めています。

私たちは、きちんと食べたり、きちんと自分の健康状態を気遣ったり、きちんと働いたり きちんと装ったり…、私たちの持つ資源やお金に関わらず、きちんと生きることを求めています。
次のシーズンは、私たちの体と自然的欲求に耳を傾けます。そして、この耳を傾けることは、私たちを、自身と私たちが愛する者に対するより強いリスペクトへと導きます。
よりよい生活の質の探求です。

ニットウェアの新しい時代、繊維がすべての注目を集めるにふさわしく、その流れは明確です。
繊維のその感覚を刺激する特性は、シンプルな服によって、一番良い状態を経験することや、私たちのパフォーマンスと健康の特定要素に対する配慮を考えることが強調されています。

毎日の時間は4つのテーマに分かれています。一日の4つの時間の光に触発された、4色のカラーチャートです。それぞれの時を解釈した、4つのファッションです。
(下記にて4つのグループで解説)

私たちの持つ最良のものを与え、気分よくするために、何を着るべきか知ることです。


となっています。この文章を読んで、なんとなくしっくりくるものがあったらいいなと思います。 わたしは、パッピーになれるニットを作りたいなと思いました。見た目にハッピー!着てみてパッピー!などいろんな意味でのハッピーです!

テーマの画像紹介

トレンドテーマを受けて作られたニットを画像でご紹介します。
テーマが「H24」だったこともあり、トレンドテーマ会場は時計のような円形になっていました。
ブース
放射状に広がる24個のサブテーマです。そして、24個のテーマが4つのグループに分かれています。
この4つのグループではトレンドカラーの提案もしています。

番号/時間/サブテーマ の順。

グループ①【morning  rise】朝、午前、日の出

冬の朝の色。
目覚め、体を徐々に動かすことやウォーミングアップ。
自然繊維の性質に注目したダイナミックでアクティブ。

カラー①-1

1/6:10/ WAKE UP(目覚め)
2/7:20/ JOGGING(ウォーミングアップ・ジョギング)
3/8:05/ YOGA(ウォーミングアップ・ヨガ)
4/9:11/ THE SHOWER(シャワー)
5/10:20/ BREAKFAST(朝食)
6/11:00/ WALKING THE DOG(犬の散歩)

グループ②【executive  afternoon】バリバリ動く午後

霧が立ち込めるような冬の午後の色。
スポーツウェアにテクニカルファイバーを使用し、仕事への集中やパフォーマンスと効率(能力)UP。
フォーマルかつおしゃれなウェアに。

カラー②-1

7/12:29/ BY BIKE(自転車)
8/13:37/ FRONT DESK(受付係)
9/14:15/ MEETING(ミーティング)
10/15:09/ CANFERENCE CALL(会議電話)
11/16:11/ STOCK EXCHANGE(株式取引)
12/17:30/ SPEAKEASY(もぐり酒場)

グループ③【evening  convivium】饗宴な夕方 (*convivium… ラテン語で「饗宴」の意味)

冬の日没と夕暮れ時の色。 愛する人々とともにリラックスしたり、喜びを分かち合ったり、
楽しんだりするように、カジュアルだがリッチに見える編地を提案。
考えることや情愛、喜びがテーマ。

カラー③-1

13/18:13/ GOING HOME(帰宅)
14/19:00/ SOFA(ソファ)
15/20:00/ KIDS RISING(子供の成長)
16/21:00/ WAINTER GARDEN(冬の庭)
17/22:27/ FOR DINNER(夕食)
18/23:08/ DISH WASHING(皿洗い)

グループ④【night  journey】夜の旅

星が光る冬の夜の色。
回復や浄化、エネルギーの補充、私たち自身を「修復」すること。それは夢や愛でもある。
フォーマルではない寝巻きから、挑発的(刺激的)なレース、
健康的なパジャマ(*パジャマを着て寝ることは健康的なイメージ)まで、
家庭的でくつろげる衣服のすべて。

カラー④-1

19/24:00/ FAIRY TALE(童話)
20/1:09/ CARE(心配・気がかり)
21/2:13 SLEEPING(眠り)
22/3:00/ EROS(エロス)
23/4:45/ DREAM(夢)
24/5:39/ MEDITATION(瞑想)

 

まとめ

テーマから、創造するニットはシンプルなイメージですがトレンドブースのニットは豊富な柄で表現されていました。
繊維本来の良さを引き出すにはシンプルなデザインの方が良いですが、ファッションを楽しむならデコティブなニットがいいと思いますし、着るシーンや、ライフスタイルを創造しながらつくるという、当たり前のことを改めて考える良い機会かと思いました。
毎日がお気に入りのニットであふれるような、そんな生活が理想です。

「もっと、たくさんの画像がみたい!」という方は、ぜひ丸安毛糸㈱の展示会へお越しくださいませ。 展示会では、ノベルティーとして私が撮影したPITTI FILATIのスナップ写真をCD-Rにしてお渡ししています。 写真の枚数は、約500枚以上ですので見応えありますし、編地やデザインのヒントになるはず!
※2017-18秋冬 展示会の日程(予定)
山形ー9/12-12 新潟ー9/15~9/16 東京ー10/12~13 大阪10/19~21

記事を書いた人

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大久保 千聖

小さい頃から編み物が大好き!文化服装学院ニット科を卒業後、丸安毛糸に入社。ニットに関する知識や情報がアイディアのきっかけになればと思っています。
また大好きな編み物の楽しさを多くの人に広めたいと手芸ブランド「60ろくまる」を立ち上げました!

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