お客様からの質問、ニット用スペック染めに付いて説明します。
- 加工
- 投稿日:
- 2017/5/31
- (更新日:2020/6/27)
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すがすがしい春の陽気はすでに終わり、異常に暑かったり雨が続いたりと季節の変わり目が感じられますので、もう間もなく梅雨が来そうです。
うっとしい梅雨ですが悪いことばかりではなく、紫陽花が綺麗で稲にとっては大事な恵みの雨になりますので皆さんも雨を楽しんで下さい。
こんにちは丸安毛糸の田崎です。今回は展示会中にお客様より質問を頂きましたスペック染めに付いて書いていきますのでお付き合いをお願いいたします。
冒頭の写真はスペック染の弊社ブック素材で2/52スプレーダイです。
- 目次1 スペック染とは
- 目次2 メリット、デメリット
- まとめ
スペック染とは
スペック染は別名ムラ染とも呼び、化学染料を使用しますが他の染色との違いは、染料をきれいに溶かして均一に染めるのではなく、染料の粒(固まり)を作り、かせ糸に付着をさせ、
溶かしながら染色をしていきます。そのため染料の粒が付着した付近は濃くなり、離れたところは薄く染め上ります。
染色工場さんの件数が少ないので、同じような商品が出にくい色彩の製品がつくれます。
1/8.5スプレーダイトリプル(2/52スプレーダイを3本撚りにしました。)
(色がミックスされているので色差が目立ちません)
メリット、デメリット
メリット
1、染め上がりにナチュラル感があり、インディゴ風でもあり、トップ染のような染め上がりになります。
2、染色性はインディゴ染より良く、トップ染より少量で染色をすることが出来ます。
デメリット
1、斑染め(ムラ染)をしていますので、編地によって色差が出やすく、一枚の編地の中でも濃い部分と淡い所が出てしまいます。
2、通常のチーズ染、かせ染と比べると染色性が悪く、色の濃度によっても差が出やすくなってしまいます。
3、手作業が多いため、通常の染色より若干納期が掛ってしまいます。
1/3.3スプレーダイリリー(2/52スプレーダイをリリヤーンにしました。)
まとめ
デメリットを上げましたが、編地の色差を防ぐ方法としては1本取りは避け2本取り以上での使用や、2本の糸でコース切り替えをして頂くことで色が混ざり合い目立ちにくくなります。編みあがった編地の色差を見比べ、同じような色のもので縫製、リンキングをして頂くと均一な商品になります。
堅牢度に付いては、淡い色のものとの組み合わせは避け、デメリット表示をお願いいたします。
1/8.5スプレーダイトリプルは色を混ぜることで色の偏りが無くなります。
1/3.3スプレダイリリーはリリヤーンにすることで、糸に膨らみができ、軽く綺麗な色合いになりました。
以上の2素材のような使用方法でも、色の出方がトップ調になり偏りのない編地になります。
多くのお客様にご使用をして頂いていますので、ぜひチャレンジをして見て下さい。
今回も最後までお付き合いを頂きありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします。