湿気の多い季節には最適なニット素材、麻のお話

  • 繊維と糸

寒かった冬も終わりに近づき、暖かく春を思わせる日も感じられるようになりました。

雨の日も増え、一雨ごとに暖かさも増してきています。

春のはじめは三寒四温と言う様に、暖かな日と寒い日が交互に来ますので、体調を崩さない様に注意をしてください。

こんにちは丸安毛糸の田崎です。今回は春から夏にかけて高温多湿な気候でも着心地の良い、麻に付いて書いて行きますので、最後までお付き合いをお願いいたします。

 

目次

  • 目次1 麻の種類
  • 目次2 ラミーとリネンの違い
  • まとめ

麻の種類

麻とは、長くて強い繊維が採れる植物の総称で、種類も多く20種類くらいあります。
その中でラミー(苧麻)とリネン(亜麻)の2種類だけが日本で衣料用として認めら、統一して麻表示になります。
麻の一種であるヘンプ(大麻)も商品化をされていますが、表示は指定外繊維(ヘンプ)になります。
その他にジュート、マニラ麻、サイザル麻などがありますが、繊維が太く硬いのでロープや麻袋に使用をされています。

 

ラミーとリネンの違い

①生産地

ラミーの生産地は、中国南東部、フィリピン、ブラジルなどの暖かい地域に多く生育しています。
生育が早く、亜熱帯地方では年に3~4回、熱帯地方では6回も収穫ができ、高温多湿で日光があれば、農薬はほとんどなくても成長をするのでエコロジーな原料になります。

リネンはロシア、フランス、ベルギー、中国北東部などの寒い地域に生育をしています。収穫は年に1度です。

②繊維の長さと繊度

ラミーは衣料用の天然繊維の中では一番長く、20~250mmあり平均で60mmくらいで、繊度は1.5~20デニールとばらつきがあり平均で4.5デニールくらいで、これがラミーのシャリ感になります。

リネンの繊維長は短く、20~30mmくらいで、糸にするには不都合ですが、元々が数十本づつがペクチンで接着され、繊維の束として長くなっていることを利用をして糸にします。
繊度は2デニールくらいで細いので、ソフトなしなやかな風合いになります。

 

 

まとめ

麻は繊維断面の中央にある空洞が、吸水時には水分を含み発散すると締まり、吸水、発散性の優れた素材になっています。
繊維の構造上、他の繊維にくらべると、強度やコシの強さがあり、光沢もあります。
乾燥時よりも水分を吸収した時の方が強度も増しますが、その反面で収縮性が無くしわになりやすいのが欠点になります。
草の茎が原料のため節があり、繊維の太さにばらつきが多く、糸にした時に均一な太さになりにくい原料です。

 

今回は日本で一番古くから衣料用の原料として使用をされている麻に付いて書きましたが、日本の気候にはとても良い素材ですが、欠点もありますのでご理解をして頂き、ご使用いただければ幸いです。

今回も最後までお付き合いを頂きありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします。