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                  引用元 https://horti.jp/21972

最近はすっかり秋から冬を感じる季節となりました。店頭でも先月後半くらいからニットの最盛期となっているのではないでしょうか?

今回は前回に続きデニムについて糸から生地までをお話ししたいと思います。
ニットのトップスにデニム!とは私の最も好きな着こなしなんですが最近は一時のデニムブームから比べると販売量が減って来ている様で心配です!

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綿花

まず初めにデニムの生地がどのように出来るのかを御説明致しましょう。
デニムは皆さんが御存じの綿から出来ています。綿は綿花という植物のワタ状の種から取ります。

紡績

その後摘み取られたワタが紡績と言う工程を経て糸となります。
紡績とは簡単に言うと繊維の方向を整えて伸ばし撚りを加えて糸とする事です。その為に色々な工程(混打綿~琉綿~練条~粗紡~精紡)を経て糸となっていきます。
綿は世界中で作られており、エジプト、ペルーなどが高級綿で有名ですが、デニムにはしなやかさ、光沢感などは必要無い為にアメリカ産が多く使用されているようです。

染色

糸となった綿は今度は染色されます。

                 引用元 https://www.bmc-tokyo.com/journal/763/
染色については前回触れましたがインディゴ染料が使用されます。これは天然ではなく合成染料です。(ただ成分は天然インディゴと同じです)天然インディゴ染料は現在は一部マニア向け以外にはほとんど使用されていません。
染色にはロープ染色と枷(かせ)染色(手作業)があるのですがデニムの場合、経糸(たていと)にのみ染める事になります。
インディゴ染料は繊維内部への浸透力が弱い為に染まり難い性質を持っており繊維への粘着力も弱い事から色落ちしやすい性質となります。(その為何度も染料に漬け込みます)
なぜインディゴ染料が使用されるようになったかは前回のブログを参照下さい。

【前回のブログ】デニムは何故青いのでしょうか?
この染まり難い性質+ロープ染色という特殊な染色機により糸の表面のみに染色されます。
糸の中心は白く残っている中白状態の糸を経糸(たていと)の使用する事により表面の染色が落ちた際に中心の白が現れアタリ感が出る事になるのです。(工場でのアタリ加工にも色々な種類が有りまた触れさせて頂きますね!

引用元 https://www.bmc-tokyo.com/
これはロープ染色の途中ですが、何度も染料につけ濃くなっていく過程でこのようなグラデーションになるんですよ!(私は最も好きな色は青なんですがこの綺麗さはたまりません!)

その1回の染色工程から出来る糸量で果たしてどれくらいの生地が織れるのでしょうか?
最も効率が良く普及しているスルーザー織機(革新織機)44インチを例に挙げると8800M織る事が出来ます。それはジーンズ約6300本分となります。
これが枷染めとなると手作業で何度も染料に付け込む事を繰り返すので非常に効率は悪くなってしまいます。

ヴィンテージデニム

セルヴィッジデニムと言う言葉を聞かれることが有ると思います。これは革新織機ではなくヴィンテージデニム御用達のシャトル織機で織られたデニムとなります。



             引用元 japanbluejeans

シャトル織機とは文字通り舟型のシャトルを左右に振って織り上げていきます。
この織機には手染めの糸が使われる事が有り非常に高価なデニムとなってしまいます。生地の織効率も悪いのですが糸が行ったり来たりする過程で生地の耳が出来ます。
その生地の耳を解れない様に止めている糸が赤い糸です。
生地幅も革新織機の半分しかなく織るスピードも非常に遅いのですが、なぜヴィンテージファンに喜ばれるかと言いますと生地の表情が革新織機とまるで違い凹凸感が非常に出る事で味わいとなりファンの多い理由となっています。
              引用元 https://www.bmc-tokyo.com/journal/detail/3901/

赤耳

また生地幅が半分といいましたが、この為に裁断する際の取り方が革新織機とはまるで違います。この取り方が生地の耳を脇で取る事となる結果として赤耳部分が裏に現れる結果となっています。(革新織機の生地にはそもそも赤耳は有りません)
                     引用元 japanbluejeans

織り

先程も触れましたがデニムでは経糸のみ染色され緯糸は染色されていない糸を使用します。
織組織は左綾織りが多く使用されますがその場合以下の様な形となり表面に綾模様(斜め)が出ます。                       引用元 http://denew.jp/contents/466/

ダンガリー、シャンブレ―

デニムとよく似た生地にダンガリー、シャンブレ―が有りますが、どう違うのでしょうか?

ダンガリー・・・縦(たて)糸に白糸、緯(よこ)糸に染色糸(藍色かブルー系)とデニムと逆となります。
織り方は綾織でデニムより薄手となります。
この織り方では2/3が経糸の白が表に出る事になり染め糸よりも白糸が目立つ生地となります。

シャンブレ―・・経糸が染色糸、緯糸が白糸となり織り方は平織で見た目もデニムとはかなり変わります。
カラーはブルー系に拘らずにパステル系が中心 綿だけでなく麻など色々な素材を使用

今回はデニムの生地が出来るまでを詳細にわたりご説明しました。
如何でしたか?次回はデニムシリーズ第三弾として縫製についてのこだわりをお届けします!

ではまた!

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