英国フェアアイルセーターと糸

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皆さんこんにちは。
もう4月も終わろうとしていますが雨が降ると寒くてまだまだ冬物がしまえない今日この頃ですが皆さんは如何でしょうか?

今回はフェアアイルセーターとそれを編むのに適した素材(糸)を紹介したいと思います。

 

フェアアイルセーター発祥の地

フェアアイルセーターはスコットランド北の北海に浮かぶ小さな島々、シェトランド諸島の端に位置するフェア島を発祥とするセーターです。

シェトランド諸島は厳しい自然環境で、たたきつけられる様な風により島々には木々が育ちにくい状態です。又、地面には泥炭が沢山埋まっていて草や作物があまり育たない環境となっています。

フェア島の羊と糸

草木の育ちにくいシェトランド諸島の端に位置するフェア島に住む羊達はいったい何を食べて育っているのでしょうか??普通の羊達は農場や原野の草を食べていますがこのフェア島の羊達は厳しい自然環境に対応するように、海辺に打ち上げられる昆布の様な海藻と少しの草を食べて生き残るように進化したといわれています。フェア島に住む羊がシェトランドシープと言われその内側の毛がアンダーコートと呼ばれ細くて軽く柔らかいのですがとても弾力性に富んでいます。

 

フェアアイルセーターを編むシェトランドシープはとても希少な為本物は中々入手出来ません。

お勧めは同じ英国羊毛の一つで英国で200年以上の歴史を持つ『Shepley Yarn』です。
『Shepley Yarn』は希少な英式紡績で作られた糸です。英式紡績の特徴は糸に膨らみを持たせる梳毛紡績で他にない本物の英国羊毛100%の高級感溢れる糸となっております。

フェアアイルセーターの作り方

フェアアイルセーターは針を4本使って輪の状態で編んでゆきます。輪編みをすることで繋ぎの無い着心地の良いセーターが出来るのです。又、筒状に編んだ後袖部分をカットしてそこから袖を編み出す手法もあるようです。そしてこれらの技法や編み柄はその後カナダ西海岸バンクーバー島のカウチン住む人達に伝えられカウチンセーターの技法の一つとなったと言われています。

カウチンセーターはこちらを参照ください>>>https://www.knitmag.jp/wp-admin/post.php?post=30320&action=edit

フェアアイルセーターの模様

フェアアイルセーターは体のまわりをぐるりと一周する細かい模様が横方向に何段も重ねて編み込まれています。その模様には○X模様やアルマダ.クロスなどの直線を組み合わせた幾何学や星、波、花など自然をモチーフにしたものが多く見られます。
他にもスペイン無敵艦隊がイギリス海軍に敗北した際に生き残った乗組員がフェア島にたどりついたことによってスペインの十字架やムーア式の矢、グラダナの星やバスクの百合などスペイン模様も多く見られると言われています。

 

間違えやすい「フェアアイル模様」と「ノルディック模様」

ノルディック模様はノルウェーに古くから伝わるセーターの模様です。雪の結晶を中心にトナカイ、モミの木、幾何学模様など北欧や寒冷地にまつわる模様が多く、特に「ルース.コスタ」と呼ばれる小さな水玉を散らしたような点描模様が特徴となっております。

フェアアイル模様

 

 

 

ノルディック模様

 

 

1970年代にシェトランド諸島の近海で石油が発見されニットを編んでいた人達を含む多くの人達が石油ビジネスに参加しフェアアイルセーターを編む人が激減したそうです。しかし石油ビジネスには限りがあると考えた人達はフェアアイルセーターをはじめとする編み物文化を世界に広げ次世代に伝承する活動を活発に行ったそうです。これにより編み物文化は復活をして今に繋がっているそうです。今では機械化が進み手編みのフェアアイルセーターはかなり少なくなってきた様ですがフェア島の人達によってフェアアイルセーターの技法は受け継がれているようです。

私もニットを通して編む楽しさや面白さを多くの人達に伝えたいと改めて思いました。

ではまた~!!