シルケット加工糸のメリット・デメリットについて

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八木 由紀子

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こんにちは。今回はシルケット加工について改めて勉強したので、シルケット加工糸の長所と短所をお伝えしたいと思います。

シルケット加工(マーセライズド加工)について

シルケット加工については、このブログを探すと色々な方が触れているので簡単にご説明します。

●シルケット加工とは、シルクの様な光沢を持たせる加工

綿に加工をすることが圧倒的に多い

●加工方法は、糸に何かをコーティングするのではない

正しくは、糸を苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)の液に浸し、手延べうどんのように糸をびゅーんと伸ばして糸の断面を整える加工

●断面が整うことによって、糸に光沢が出るというわけです

●シルケット加工を海外ではマーセライズド加工(ex:Mercerised Cottonと言います

私の中では、シルケット加工は綿にストレートパーマをかけるイメージをしています。

シルケット加工をした糸の長所

長所1 ◆糸にシルクのような光沢が出る

長所2 ◆発色性が良い

これは綿特有ですが、綿の染めはどうしても白茶けてしまう傾向があります。黒も真っ黒ではなく少し浅いと感じることがありますよね。シルケット加工をすることによって綿の断面が整い発色性もよくなります。

長所3 ◆毛羽が少ない

シルケット加工の副産物で、加工をすると毛羽も抑えられます。

シルケット加工をした糸の短所

短所1 ◆ファスナー現象が起こりやすい

この現象は通常の綿ではほとんど起きにくいのですが、シルケット綿の細番手に関してのみ特にこの”ファスナー現象”(編地どうしのひっつき)が起きやすくなります。そのほとんどの原因が”静電気”で編地や商品の帯電性が上がりくっつきやすくなってしまうという現象が時折確認されます。

ファスナー現象を軽減したい!!』ですよね

軽減する方法はあります

① 凹凸のある組織にする(リブ・ミラノリブ・畦・かのこ・細かいリンクス柄等)

生地の接地面を少なくすることで、多少改善ができます。

② 重さを持たせる

編地に重さを持たせることによって、重力で貼り付きが治まります。

(軽くて薄い方がくっつきやすいです)

 

短所2 ◆天竺の編地で横スジが目立つ

シルケット加工をした(特に細番手で編む)天竺は横スジが目立ちやすいデメリットがあります。

糸を苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)の液に浸し、糸を伸ばして糸の断面を整える加工をすることで光沢を持たせる半面、糸の太さに若干の不均一が生じます。

また糸を伸ばした後の糸の断面が、横スジを目立ちやすくしてしまいます。

 

『横スジが出るのはNG』という方には

“片畦やリブなどの両版組織やケーブル・細かい柄編成”がおすすめです。

横スジが目立たなくなります。

シルケット加工の素材をご紹介

Nm 5.600 リビエラコード

Nm11.300 リビエラスリム

Nm22.800 リビエラファイン

リビエラシリーズのBOOK
シルケットのコードヤーンです。
柄立ちがよいので片畦の目もとても綺麗に立ちます。


Nm16.900 ルキア

ルキアのBOOK
高級超長綿“GIZA”をダブルシルケット加工した贅沢な素材。
柔らかい肌触りと優しい風合いに光沢感があり上質な素材感です。

まとめ

少しでも参考しにして頂けたらと幸いです。

ではまた!

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記事を書いた人

こんにちは。
食べること、笑うこと、銭湯、旅、散歩、ものづくり、美容、ヘルシーな生活が好きな八木です!今までテキスタイルデザインをしていたので、素敵なテキスタイルを見るとわくわくします。ニット初心者ですが、これからたくさん勉強して、面白い情報を載せていきたいと思います!!よろしくお願いします♪

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