ニットの混率表記について。

  • ニット製品の取り扱い方法

こんにちは。丸安毛糸㈱製品部の住吉です。

今回はニットの混率について、
どうやってそれを計算しているのか
解説したいと思います。

ニットの混率は総合混率で表示

皆さんの一般的な洋服には品質表示が付いております。(ハンドメイドやサンプルを除く)

ついている品質表示には、

綿 50%
ポリエステル50%

のように混率が表記されております。

生地の場合は「表地〇% 裏地部分〇%」や「柄部分〇% 無地部分〇%」のように

分けて表記しますが、

ニットの場合ですと、糸をを引きそろえたり、JQ柄などで全面的にいろいろな糸を混ぜて使った場合、

A素材 〇% B素材 〇%とは表示できません。

ニットでは、糸を数種類使って一緒に編んだ場合は、混ざり合った1つの素材と考えて

それぞれの素材(混率)がどのくらいの割合で入っているかを計算し、「総合混率」を割り出します。

※もちろん袖とか衿とかパーツでそれぞれ素材が分かれている場合は、パーツごとの表記でOKです。

総合混率の計算方法

総合混率の計算では、

①製品全体の重さ(目付け)
②使用している各糸の重さ
③各糸の混率

が必要です。

例として、下記の内容で考えてみます。

①製品全体の重さ(目付け) 300g
②使用している各糸の重さ
A素材:150g
B素材:150g
③各糸の混率
A素材:綿50% ポリエステル50%
B素材:毛100%

各糸の重さから、その糸の素材が何gあるか割り出す

②の糸の量から、各素材が、どのくらい使われているかを計算します。

A素材:150g×綿50%=75g(150×0.5)
150g×ポリエステル50%=75g(150×0.5)
B素材:150g×毛100%=150g

まとめると、この製品の中で各素材は、
綿      75g
ポリエステル 75g
毛      150g

以上の量が使われている、とわかりました。

各素材が製品全体の中で何パーセントあるかを計算する

次に、素材の割合を計算します。

各素材の重さ÷①の製品全体の重さ

綿75g÷300g=綿25%
ポリエステル75g÷300g=ポリエステル25%
毛150g÷300g=50%

これで総合混率が出ました。
総合混率は、混率の多いものから順に書くので、下記の様になります。

毛      50%
綿      25%
ポリエステル 25%

まとめ

いかがでしょうか。

また、表記を決めるときに忘れがちなのが、ストレッチ糸のダスリーやマルロンをプレーティングや

接結糸で使用しているとき。
リブ部分だけや、編み出し部分だけなど、ごくごく少量だったら表記しなくても問題ありませんが、

全面プレーティングとなると表記が必要なくらいの量のストレッチ糸が使われているので、

総合混率で出しますので気を付けて下さい。

それではまた。