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こんにちは、佐野です。

前回と前々回、梳毛紡績の工程についてご紹介いたしました。

今回は一番最後の“精紡”と呼ばれる工程になります。

これまでの記事はこちらです。

ぜひこちらをお読みになってから、今回の内容に触れていただければと思います。

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混紡と前紡工程のおさらい

前回までの内容を今一度おさらいいたします。

まず、梳毛紡績は混紡→前紡→精紡という大きく分けると三つの工程に分かれます。

混紡とは紡績前の“原毛”と呼ばれる各素材の綿(わた)を何度もすり合わせ、実際に作る糸の混率を決める一番最初の大事な作業になります。

ここで仕上がった、定めた混率の綿(わた)ゆっくりゆっくり延ばしながら繊維を均していき、スライバーと呼ばれる状態になるまで何度も何度も同じ工程を繰り返します。

これが前紡と呼ばれる工程です。

そしてここまでの作業を終え、やっと最後の“精紡”工程に入ります。

梳毛糸紡績における精紡とは

精紡とは、“紡績”と聞いて想像しやすい工程かと思います。

前紡工程で出来上がったスライバーを定めた番手になるまで撚りを加えながら細く細く糸にしていきます。

よく、紡績=わたを撚って糸にする、という認識がなじみ深いかと思いますが、工程で分けてみるとこの精紡工程ではじめて撚りが入るんですね。

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この画像の上部に設置されているのが前紡工程でできたスライバーです。
上から下に向かって流れていきます。

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上の画像の真ん中から下の部分はこのようになっています。

撚りが加わり一気に細くなっているのがお分かりになりますでしょうか。

これをボビンと呼ばれる青いパーツに少しずつ巻いていきます。

画像下部に巻き上がったボビンが横に連なっていますが、これは定量に巻き上がると自動的に下に落ちる構造になっており、ベルトコンベアへ向かって順に流れていきます。

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流れてきたボビンは自動でこのような機械にたどり着きます。

これはエアースプライサーと呼ばれ、空気の力で繊維を絡ませ、糸をつないでいく機械です。
先ほどのボビンを順につなぎ、一本約1kg巻きにしていきます。

これで紡績の最終工程である“精紡”が終了となります!

一つ注意点ですが、紡績で出来上がるのは“単糸”です。ニット用に使用する場合、この後に双糸加工が必要となるケースがほとんどです。

まとめ

以上3回にわけて梳毛紡績の製造工程についてのご紹介でした。

いかがでしたでしょうか。個人的にはあまりなじみのない混紡と前紡に興味を持っていただけたら幸いです。

それでは!

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佐野 貢士

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記事を書いた人

ミリタリーをはじめ、ヴィンテージのセーターとロックンロールが大好きです。
ギター歴15年、編み物歴は10年になります。
このブログでもニットとロックを絡めた内容で書いていきたいと思っています。
宜しくお願いします!

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