染色 「カセ染め」と「チーズ染め」について
- 繊維と糸
- 投稿日:
- 2024/6/12
- (更新日:2024/9/9)
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こんにちは八木です。
糸の染色工程を知っていますか?
糸の染色にも工程があります。
弊社がお世話になっている染工場では「カセ染め」と「チーズ染め」という方法で糸染めをしています。
普段仕事で、「カセ染め」と「チーズ染め」と口にはしているけど、染め方の工程で何が違うのか曖昧な部分あったので調べてみました。
カセ染めとは・・・
ぐるぐると束になった状態の糸を綛(カセ)といいます。
穴の開いた管に綛の糸を掛けて、穴から染液を噴射して染色する染め方が「カセ染め」です。
時間と手間はかかりますが、糸本来の風合いを残しながらムラなく美しく染めることができるんです。
チーズ染めとは・・・
チーズ染めの「チーズ」とはナチュラルチーズのような形の状態に巻いた糸のことを呼びます。
通常糸はコーン(紙管)に巻かれているのですが、紙管のままでは液体の染料が入った釜に入れられないので、まずは「前巻き」工程といって原糸(生地糸)を「染色ボビン」に巻き直します。
「染色ボビン」の素材はプラスチックが多く、下の写真のように穴が空いています。
この「染色ボビン」に巻かれた糸を内側と外側から交互に染液をポンプで循環させ、均一に染料が糸に染着されるように染色する染め方が「チーズ染め」です。
加圧タイプのチーズ染色機を使用し、チーズに巻かれた糸の硬さを調整して染色を行います。
この「チーズ染め」は、「内外差」というものが起こります。
「内外差」とは、内側と外側に色差(濃淡差)が起こる現象のことを指します。
「内外差」は、染色が上がり乾燥後に、紙管に巻き直す「後巻き」の際に内側と外側の糸をカットすることで、色が均等な部分だけをお届け出来るように対策しています。
「カセ染め」に比べて効率は良く、染色前後の工程が少ないためスピーディーな染色が可能ですが、糸が巻きつけられるため形状やふくらみなど糸本来の風合いを損なう恐れがあるんです。
最後に
染め方によって良い点、悪い点がそれぞれあることを知りました。
まだまだ糸について曖昧にしていること知らないことが多く、人に聞いたり調べたりしてしっかりインプットしていこうと思います。
下記の記事も参考にしてみてください。