【教えて!ターさん】素材と染料の関係性

  • 教えてターさん!

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素材ごとに、同じ染料で染められたり、染められなかったりすること、ご存じですか?

今日の「教えてターさん」は素材と染料の関係性を主軸に、「麻」の生育に関するお話までお届けします。

※個人的な見解が含まれる場合がございます。あらかじめご了承ください。

佐野
佐野

始まりました、「教えてターさん」。今日は直近社内で聞いた話から深ぼりしていけたらと思うんですけども。

佐野
佐野

ウールとポリエステルのドッキングの企画があって、色合わせをしたいらしいんですね、同じ色データで染めても上手くいかないじゃないですか。そういう時って何か注意してるんですか。

ウールとポリエステルだと、まず光沢が違うよね。ウール100%とポリエステル100%のドッキングとなると、その光沢の差が大きいよね。ウールとポリエステルの撚糸の糸で編めればミックスされちゃってわかんないけどね。
太い糸の撚糸だったらさ、どうしたって光沢の差が出ちゃって杢っぽく見えちゃうね。それをどうやって染めて馴染ませるかというと、やはり発色の差が問題になるよね。

ターさん
ターさん
佐野
佐野

違う色で染めて、同じように見えるところを探すってことですよね。

一色ずつビーカーを取っていって、元糸に合わせて、これでOKってところを探す。ただドッキングしたときには、発色の差が絶対出ちゃう。物性と風合い、光沢まで何もかもが違っちゃうんだもんね。

ターさん
ターさん

昔からよく、特にキャリアゾーンのお客様に素材提案をするときに,綿レーヨンの素材で撚糸ものは避ける傾向があった。なぜかとういうと、染色した時に色が割れるから。割れるとどうしても、杢糸に見えるからね。
混紡糸だとそれがわかりにくいから、混紡糸を提案するようにしていたんだよね。

ターさん
ターさん
岡崎彩月
岡崎彩月

なぜそれが起きるんですか?

要は綿とレーヨンって同じ染料で染まるじゃない。その時にレーヨンの方が吸い込みが良く、染色性が良いんだよ。 だからどうしてもレーヨンの方に多く染料が取られちゃう。だから綿のほうの色がちょっと薄く上がっちゃっうんだよね。

ターさん
ターさん
佐野
佐野

そうか、一浴だから。

だから綿アクリルとかさ、アクリルレーヨンだったら染料が違うからある程度色合わせはできるけども、同じ染料だからそういう問題が起きてきちゃうんだよ。

ターさん
ターさん
佐野
佐野

僕昔、レーヨンナイロンで困ったことあったんですけど、それも同じなんですか。

そうだね。
例えばレーヨンを先に染めておいてとか、もしくは綿を先に染めておいてあとで撚糸すればいいじゃんみたいなことも考えられるかもしれない。ただそんなことは、誰がするの?って話になってくる。

ターさん
ターさん
佐野
佐野

それはいろんなことを考えると違いますよね。でも、そこがずっとついてまわる問題なんですよね。

タムタムヤーンなんかだって、モヘヤウールにナイロンが撚糸されているじゃない。分解すると色は違うんだけどさ、タムの場合は分かりにくいじゃん。ウールやナイロンなんかだって、やっぱりナイロンの方が染料を吸収してるよね。

ターさん
ターさん
岡崎彩月
岡崎彩月

ナイロンの方が濃いってことですか?

ナイロンの方が濃い。どうしても化学繊維とか再生繊維の方が吸収しやすくて、天然繊維の方が吸収しにくいんだよね。

ターさん
ターさん
佐野
佐野

へ~、なるほどですね。それこそ、田崎さん10年前のブログにも書いていましたよね。

今でもよく、お客様に何と何が染料一緒?とかって聞かれたりするよ。「これとこれは一緒に染まるの?」「何が別々に染まるの?」ってね。だから、綿、レーヨン、麻は一緒に染まるよとか、ウールとナイロンが一緒だよ、とかね。

ターさん
ターさん
岡崎彩月
岡崎彩月

最近は、段ムラが発生したのに立ち会って。段ムラの発生は、チーズ染の内外差で起きますよね。それで、修正屋さんに出すってなって「発生しても直せるんだ!」って思いました。あとは、結局やらなかったんですけど、リビエラコードである色をオーバーダイするかっていう話が上がって。染め直すことってできるんだって思いましたね。

できるものもあるけど、直しにくいのがアクリル。アクリルは染色性が良すぎるから、脱色が難しい。 そのままの上から色をのせるっていうことはしないんだよね。 堅牢度が悪いから、ある程度は脱色してから、白くしてから、色をのせるんだよね。

ターさん
ターさん
佐野
佐野

あれ、本当に難しいですよね。脱色しても堅牢度が悪くなりますよね。

それとリビエラシリーズって、あれシルケットだから染め直しが効かないんだよね。
普通の綿じゃなくてシルケット加工してるから、薬剤が余計にのっかっているから、やはり染色が変わってくるんじゃないかな。

ターさん
ターさん

シルケットがかかってると、じゃあ前回と同じレシピでまた同じ色になるかっていうと、やはりそこら辺もちょっと違うくなっちゃうんだよね。

ターさん
ターさん
佐野
佐野

そうなんですね。

あとは、リネンとか麻とか綿などの天然繊維は、極端なこと言うと山側で採れた麻と谷側で採れた麻とでは色が違うんだよ。太陽の当たりが違うからなんだけどね。

ターさん
ターさん

一つの畑で採れたものはすべてそこでミックスして一ロットで管理する。違う畑で採れたものもそれ全部を一ロットごとに管理する。こっちの畑とこっちの畑で色が違うからね。だからリネンのナチュラルカラーはほぼ畑ごとにみんな色が違う。昔よくそれで問題になったんだよね。だから今は、「ナチュラル」って色を出さないで、染めの亜麻色で色を出すんだよね。

ターさん
ターさん
佐野
佐野

なるほど。年によってもって違ったりするってことですよね。

あくまでも農産物だからね。だから簡単に言ったら、今年の大根の出来がいいとか、白菜の出来がいいとか、悪いとかってあるじゃない。あれと一緒で。

ターさん
ターさん
廣江
廣江

面白い。ワインみたいですね。

生育が悪いと節がいっぱい出来ちゃう。 それを糸にしたときに、ごつごつ、節だらけの糸ができる。
ところが生育がよくて長ければ節が少ないから、きれいなリネンの糸が作れる。天然繊維だからそういうことがあるんだよね。

ターさん
ターさん

だから今日の冒頭の話なんかも、やはり元糸の色が違うから、ポリエステルとウールの色差が違って出てしまうんだよね。

ターさん
ターさん
佐野
佐野

麻と染色は難しいですね。

天然繊維の場合はさ、元の色があるから、染色が難しいよね。

ターさん
ターさん
佐野
佐野

そうですね。

以前はレーヨンにはロットがないって教わったよ。

ターさん
ターさん
佐野
佐野

ああ、そうなんですね。その生地糸ロットとして、 分けなくても大丈夫なんですか。

廣江
廣江

あ、同一なんですか?

要は作るときの過程でさ、 ロット管理っていうのはあんまりしてないんだよね。

ターさん
ターさん
佐野
佐野

へーそれは面白い。
ターさん、リネンの話と畑の話とかって、誰に教えてもらったか覚えてます?

やはり普通に麻屋さんとの会話からかな。
前にも言ったかもしれないけど、リネンって同じ畑で作れないんだよね。

ターさん
ターさん
岡崎彩月
岡崎彩月

1回育ったらそこで作れないんですか?

そこの畑では9年間作れなくなるから、ローテーションで9か所を回していく。そのぐらい栄養取っちゃうんじゃない?
朝鮮人参なんかでもよく言うじゃない、そこの畑で採ったらしばらくはダメとか。もうだからそこの畑の栄養をみんな採っちゃうから、そこの畑はもうしばらく使えないのかなあ。

ターさん
ターさん
佐野
佐野

面積で考えるとすごく生産効率悪いですね。 少なくとも9カ所作らないと、ずっと活用できないんですか。

どっちかというともう、野原にいくらでもできるもんだとばっか思ってたんだけど。

ターさん
ターさん
岡崎彩月
岡崎彩月

そうですよね。育ち強そうですもんね。

だからちゃんとしたきれいなものを育てるにはそういうふうにしないといけない。
野菜とかなんかと一緒じゃない。どの種類かまでは分からないけど、物によったら同じところで同じ野菜ばっか作っていくとダメになっちゃうでしょ。

ターさん
ターさん

だからやはり、変えたりなんかしながらやっていくんだね。

ターさん
ターさん
佐野
佐野

リネンの畑ってみたことありますか?

無いねえ。だって一番いいのは、フランダース地方で、フランスからベルギーでしょ。あとはね、中国。

ターさん
ターさん
佐野
佐野

きっと田舎なんでしょうね。

そうだろうね。何もない広大な平い土地。でも、取れる量はそんなにないから。

ターさん
ターさん
佐野
佐野

どうやって刈るんですかね?

いや、あの米を刈るみたい感じで刈るんじゃないかな。まあ、機械だろうけどね。

ターさん
ターさん
佐野
佐野

へえ。なんかもう、色の違いってそこまでの話になると、一見してわかるんですかね?畑眺めるだけでも。あ、こっちちょっと茶色いなとか、あっちはちょっと白っぽいなとか。

日本の農産物だってさ、今の時期だとみかん。上の方のみかんは黄色くなるけど、下のやつはなかなか黄色くならないとかね。

ターさん
ターさん
佐野
佐野

そうですね。

ああいう風になっているんだよね。
日の当たりの良いところは、早く黄色くなって、早く完熟するけども、下の方の日の当たりの悪いやつは、色付きが悪いよね。

ターさん
ターさん
佐野
佐野

へえ。羊の牧場は想像がつきますが、リネンは想像がつかないですね。

中国リネンは、もっと色が濃い。同じリネンでも、土壌の違いとか、そこの環境で変わってくるからね。
リネンの場合は、そのままにしておいたら、何もなくなっちゃうからね。

ターさん
ターさん
岡崎彩月
岡崎彩月

何もなくなる?

全部土で野っぱらになっちゃうけども、ラミーだとそのまま枯草が立ってるから。

ターさん
ターさん
佐野
佐野

へ~!

へーって、ちょっと(笑)。ラミーと、リネンの違いって知らない?

ターさん
ターさん
廣江
廣江

実際見たことないから、ちゃんとはよくわからないですね。

いやいや、俺も見たことないんだけどもね、一番大きな違いってリネンは一年草なんだよ。春に土から芽が出て、茎が成長していくよね。秋になって枯れたら、これが丸ごとなくなっちゃうんだよね。
ところがラミーは、多年草だから出てきたものが秋になって枯れても、枯れたまんまで立ってる。だからそれがまた次の春になると、緑になる。湖畔にあるガマとかススキなんかでも、みんなそうじゃん。

ターさん
ターさん
佐野
佐野

知らなかったです!

今の時期、茶色いでしょ?あれがもうちょっと暖かくなると、あれがだんだん緑に変わってくるでしょ。

ターさん
ターさん
佐野
佐野

リネンとラミーって、生産してる人もやっぱ別なんですかね。

場所が違うから違うんじゃない。同じ麻という区切りってだけ。 ただ今そうやって言ったように、リネンの場合は1年草で、スパンで柔らかく、ラミーの方はフィラメントで、長繊維だからラミーの方が清涼感があるよね。

ターさん
ターさん
佐野
佐野

よく梳毛とかにも入れられるじゃないですか、ラミーだったら。純粋に繊維質の話だけだと思うんですけど、長繊維なんですね。

あとはラミーの方が硬い。リネンの方がやわらかい。先程言った通りリネンは1年草で、柔らかいからね。

ターさん
ターさん

どうしても、3年も4年もさ、長く生えてたら茎自体が硬くなってくるんだよね。

ターさん
ターさん
佐野
佐野

生育のところからかかわってくるということですね、興味深いお話を聞けました。
今日の「教えて!ターさん」はここまで。次回もお楽しみに。

まとめ

  • 素材ごとに、同じ染料で染まる素材がある
    • 綿、レーヨン、麻は一緒に染まる、ウールとナイロンが一緒に染まるなど
  • 同じ染料で染まる素材の場合、片方の染色性が良すぎたりすると色割れを完全に避けることは難しい
    • 化学繊維や半合成繊維は染色性がよく、天然繊維は相対して染色性はあまり良くない。(ウールは良い)
  • 天然繊維は、生育環境や状況により元の繊維の色が変わったり、節ができやすかったりする
    • 例えば、日当たりが良好な場所で生えているリネンと、日当たりが悪いところで育ったリネンは色が違う。
    • 生育環境が悪かったリネンの場合は節が多く、糸になった場合も不良個所が多くなる。
  • リネンとラミーの違いは、前者は1年草、後者は多年草。
    • リネンは生育期間は短く、繊維長も短い。ラミーは生育期間が長いので繊維長が長くリネンよりも硬い。

結びに

今回の教えてターさん、いかがでしたでしょうか?天然繊維も生育環境、状況によって糸になったときの品質に影響してくるなんて面白いですね!

もし取り上げてほしいテーマがあれば、ぜひ随時教えて下さい!