ニットに使われるウール、獣毛のキューティクルのお話
- 繊維と糸

- 投稿日:
- 2018-02-20
- (更新日:2020-06-27)
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今年の冬はとても寒く、普段は積雪の多くない地方にも大雪が降り農作物などにも被害が出ています。
そしてインフルエンザがA、Bともに大流行、普通の風邪でよかったね。というような年になっています。
ご安心ください、春は近づいてきています。今月に入ってから近所の梅の木に花が咲き、今では3~4分咲きの開花になっています。
こんにちは風(風邪)にも負けず、休みの日には釣れない釣りをしている丸安毛糸の田崎です。
今回はウールや獣毛にも人間と同じようにキューティクル(うろこ)があり、その違いのお話です。最後までお付き合いをお願いいたします。
目次
- 目次1 キュ-ティクル(うろこ)のお話
- 目次2 動物によってのキューティクルの違い
- まとめ
キューティクル(うりこ)のお話
人間の髪の毛の表面に突起物があり、これをキューティクルと呼んでいますが、動物にも同じようにあります。
その突起物をスケールとかうろこと呼んでいます。
この突起物があるために摩擦によって絡み合い、毛玉になりやすいのです。
動物によってのキューティクルの違い
カシミヤの毛は獣毛の中でも特に細く、スケールも小さいので突起物の引っ掛かりも少なく、ぬめりのある柔らかい肌触りになります。
モヘアの毛はスケールの溝が浅く、絡みにくく、ハリが強いのでサラッとした風合いになります。
アルパカの毛はカシミヤやモヘアに比べると少し太いのですが、スケールが細かくしっとりしたぬめり感があります。
ウール(羊毛)は、比較的スケールが大きく絡みやすいのですが原料が安価で使いやすい素材です。
まとめ
カシミヤやモヘア、アルパカにその他の獣毛は、比較的スケールが少なかったり小さかったりしていますので毛玉になりにくいのですが、ウールに比べ絡みにくく、縮絨をした時には絡み合い縮み厚手の肉厚にはなりません。
ウールは縮絨をした時に絡み合う力が強いので、しっかりした生地に仕上がり、風を通しにくい防寒用の生地になります。
ウールも獣毛も毛なので毛玉にはなりますが、ウールはスケールが大きいので絡みが強く、取り除くのが困難です。
獣毛の方がスケールが少なかったり小さいので毛玉が出来ても、毛の摩擦が少なく比較的に楽に除去が出来ます。
毛玉の除去をする場合は、身生地に傷を付けないようにハサミで切り落とすことをお勧めいたします。
今回は毛質によってのスケールの違いと特徴を書きましたので、ご理解を頂き商品づくりにお役に立てれば幸いです。
画像が鮮明ではなく見づらいのはお許しください。(画像はIWS資料より使用させて頂きました。)
今回も最後までお付き合いを頂きありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします。