トレンドカラーはどう決まる?|20−21AWトレンドカラー

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こんにちは、片野です。

20−21AWファッションウィーク真っ只中ですね。

今回の記事は、コレクションでも注目されるカラーについて改めてお話ししたいと思います。

毎シーズン出るトレンドカラーはどう決まるかご存知ですか?

トレンドカラーの作られ方と20−21AWトレンドカラーを見ていきましょう。

 

トレンドカラーの決め方

トレンドカラーもいくつかの専門機関があり、毎シーズンそれぞれの機関からトレンドカラーが発表されます。

 

インターカラー(国際流行色委員会)

インターカラーの正式名称は、「国際流行色委員会:INTERNATIONAL COMMISSION FOR COLOR」

1963年に発足した、唯一の国際間で流行色を選定する機関です。

世界16カ国が加盟(2020年現在)していて、加盟各国が提案色を持ち寄り、実シーズンに先駆ける約2年前の6月に春夏カラー、12月に秋冬カラーを選定しています。これは、世界的に最も早い時期のトレンドカラーの選定であり、インターカラー選定色の方向は、その後に発表される世界各国のトレンドカラー情報の、いわばトレンドセッター的な役割をしています。

日本もこのインターカラーに加盟していて、色彩動向や社会動向などトレンド情報をもとにシーズンのトレンドカラーが決定します。

 

JAFC (一般社団法人日本流行色協会)

インターカラーで発表されたトレンドカラーを日本に発信しているのはJAFC(一般社団法人日本流行色協会)です。シーズンの約1年半前にJAFCでトレンドカラーが決定します。その後、ファッション情報として消費者に商品として伝達されるという流れです。

つまり、トレンドカラーを浸透させるには約2年間かかるのです。

 

PANTONE社

見本帳でおなじみのPANTONE 社もトレンドカラーを発表しています。

PANTONEはファッション業界だけではなく、インテリアやグラフィックなど様々な分野でトレンドカラーを分析しています。

毎年12月には「Color of the Year」が開催され、翌年の注目カラーを1色を発表します。このColor of the Yearが様々な業界での製品開発と購買決定に影響を与えています。
PANTONEのトレンドカラーはファッション、家具、工業デザイン、さらには製品、パッケージ、グラフィックデザインなど、多くの業界から注目されています。

ちなみに2020年のColor of the Yearは『クラシックブルー』です。

選考理由は、“ シンプルさの中にエレガントさを持つ時代を超越した永続的な色合い。夕暮れの空を連想させ、安心感をもたらす性質は、新しい時代への入り口を超える時に信頼できる安定した基盤に対する私たちの欲求を浮かび上がらせます。” 2020年という新しい時代の幕開けをイメージしたカラーが選ばれています。

 

20−21AWトレンドカラー(PITTI FILATI86)

2019年6月行われた世界最大の糸の見本市、『PITTI FILATI』で発表された20−21AWのトレンドカラーチャートです。

今シーズンの注目カラーを見ていきましょう。

暖色系(ブラウン・ワイン・ブライトオレンジ)

1番目に付くのがベーシックカラーにブラウンが多いところです。ベーシックカラーは数年ブラックやグレーが主流でしたが、ブラウンに移行する年になりそうです。

エレガンスなルックが多い中でワインもトレンドカラーの一つです。また、暖色系では優しい印象のあるくすみがかったピンクも編み地で多くありました。

暖色系が多い中でもブライトなオレンジも見かけられました。ネオンのような色彩の高いトーンのオレンジもトレンドです。

寒色系(アッシュブルー・ミント)

ブルーは暖色系とは反対にグレーがかったアッシュブルーがトレンドに。PANTONE のトレンドカラーがクラシックブルーでしたが、落ち着きや信頼感あるブルーが印象的です。

AWですがミント色もアクセントに多くありました。ストリート・スポーツのトレンドも引き続きありますが、差し色はミントが使われそうです。

最後に

トレンドカラーの仕組みも面白いなと思いました。ファッションウィークでトレンドカラーの予測の答え合わせをするのも楽しいですよね。今月末には2021SS PITTI FILATIが開催されるので次のトレンドカラーの発表も楽しみです。

それではまた。