合成繊維(ゴーセン)って何から出来てるの?どういう方法で作ってるの?
- 基礎講座
- 投稿日:
- 2021/4/14
- (更新日:2021/4/7)
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皆様如何お過ごしでしょうか?
緊急事態宣言も解除となりましたが、徐々に感染者が増えており予断を許さない状況でこのブログを書いています。
先日我が社では67期に向けて経営計画発表会が行われ、新たな期に向けて会社の各部署の方針が発表されました。
来季(既に今季)に向けて気持ちも新たにスタートです。
コロナ禍に一喜一憂せずに粛々と事業を進めるのみです。
ところで今回は皆様の日常に当たり前に存在する合成繊維(合繊)について改めて御説明します。
ゴウセンについて身の回りに当たり前にある割には、詳細について私は分かっておらず、今回調べて初めて分かった事が多くありました。
合成繊維とは?
まず繊維とは大きく天然繊維と化学繊維に分かれます。
天然繊維とは文字通り、ウール(羊)、綿、麻、シルクなど、自然の物をそのまま使用して繊維としています。
そして化学繊維とはセルロース(木材)、たんぱく質などの天然物を科学的に加工した再生繊維、半合成繊維などがありますが、その中で代表的なものが合成繊維となります。
合成繊維の製法
合成繊維は以前は石炭などからも作られていましたが、現在は石油と天然ガスから全て製造されています。
またその中でもポリエステル、ナイロン、アクリルの3素材が最も身近に有るのではないでしょうか?
ポリエステルの製法
その中でも最も身近なポリエステルはどうやってできているのでしょうか?
石油、天然ガスから加工し抽出されたチップを熱で溶かし、細かい穴が沢山開いたノズルから押し出して、空気で冷却し、繊維化する事でポリエステル繊維となります。(ペットボトルも同じです。)
この熱で溶かしてノズルから押し出して糸にするという工程は、ナイロン、アクリルも同じ構造となっています。
ポリエステルチップ
紡糸
ノズルの形状
ノズルの形状は様々な形がありその形により様々な断面を持つ繊維となります。
同じ素材でも断面形状でによって風合いが変わり、吸水性などの様々な特徴、機能性を付与する事が出来ます。
また絹の様に連続した長さの有る長繊維と木綿や羊毛のような短い糸が絡み合った短繊維に分ける事が出来、用途に有った糸にすることが可能です。
機能性は例えば速乾性を持たせた生地がスポーツ、アウトドア衣料の用途に広く使用されたり、他にも様々な性格を持たせた製品が広く使用されています。
長繊維(フィラメント) 短繊維(ステープル)
ナイロンの製法
ナイロンは工業化に初めて成功した合成繊維で1938年にデュポン社が開発しました。
ナイロンはシルクを組成を真似して作られた繊維で、この発見は日本の一大輸出産業であった絹産業は衰退に繋がっていきました。
ポリエステル同様に溶融紡糸(溶かして糸にする)の方法で行われます。
ナイロンは衣料用ではニット糸にもによく使用され、他には魚網、テニスラケットのガット、釣り糸などにも使われます。
アクリルの製法
アクリルもまたポリエステル、ナイロン同様に溶かしてノズルから押し出す方法(押し出して液体の中に入れて固めます)がとられます。
アクリルは羊毛に似せて作られた合繊で嵩高くやわらかな風合いが特徴で主に短繊維で使用されます。
その為にニット糸では非常に良く使われます。
熱で縮み易い事から収縮されたアクリル繊維と通常のアクリル繊維を混紡させたハイバルキー糸などに使用されています。
今回はゴウセンに焦点を当ててみました。
各合成繊維によっての製造方法など初めて分かった事も多くありました。
今回取り上げなかった他の合成繊維も非常に多くの種類が有ります。(衣料用には使用されないので今回は省きました)
まだまだ深い繊維の世界…
ではまたお逢いしましょう!
引用元 https://www.jcfa.gr.jp/about_kasen/knowledge/process/index.html
https://kotobank.jp/word/%E5%90%88%E6%88%90%E7%B9%8A%E7%B6%AD-161511