
こんにちは、丸安毛糸の寺尾です。
気温が高くなりつつある今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか?
私はDCコミックスの漫画の一つである【THE FLASH】の映画がようやく公開されて、IMAXで鑑賞してきたのですが、皆さんより一足先に迎えてしまいました、、、
真夏日を🔥
そのくらい激熱で面白い内容となっております!
MARVELコミックスの作品の方が好きなのですが、ドラマ版のFLASHを見ているせいかDCの方もしっかり見始めようかなと思わされました。

私の個人的なニュースはさておき、本題に入ってまいりましょう。
目次
アセテートとは
アセテート繊維は、木材パルプ(セルロース)を原料に、酢酸を反応させたアセチルセルロースより作られる繊維質です。2つ付いたものをジアセテート(di-acetate)、3つ付いたものはトリアセテート(tri-acetate)と言ったように引っ付くアセチル基の数で呼び名が異なります。
アセチルであったり、セルロースであったり中高の化学を思い出して思わず頭が痛くなってはいませんでしょうか?
私は頭が痛いです。。。
一先ずは大体そんなものなのかと読み流すのが吉です。
ここで大事なのは、アセテートの原料は木材から出来ているという事です。

もう一点言及しておきたいのが、アセテートは半合成繊維という事です。
天然のセルロース(木材パルプ)の一部を化学反応させて、繊維状に加工したものがアセテートです。
※半合成繊維・・・セルロース等の天然のタンパク質成分を主成分とし、それを化学的に処理して繊維にしたものです。天然物質と化学物質を合わせて繊維にすることから、半合成繊維と呼ばれます。
半合成繊維には他に、プロミックス(牛乳のタンパク質が原料の繊維)や、トリアセテートなどがあります。
似た用語で再生繊維や、合成繊維などがあるので注意です。

アセテートの特徴と用途
メリット
・絹のような美しく上品な光沢感がある。
・毛と同じようなふっくらとした風合いと豊かな感触が魅力。
・適度な吸湿性、保温性、弾力性がある。
・美しいドレープとシルエットが表現できる。
・熱可塑性が高く、プリーツセットができる。
デメリット
・マニュキュアや除光液がつくと溶ける。
・色物では排気ガスなどによる変色がある。
・アルカリ洗剤を使うと化学反応によって光沢が消失する。
・強度が低く、摩擦や熱に弱い。
アセテート繊維は寄り合わせて糸にする事で、適度な吸湿性を持ち、美しい光沢があるなど絹に似た風合いを出す事ができます。
柔らかい素材感が得られる事から、衣服の素材としても利用されているが、伸張や摩擦に対する耐久性がそれほど高くなく、高級ファッションの一部に利用されています。
たばこのフィルターとしては、同繊維の生産が容易な性質に関係するようですが、特に熱を加えても嫌な臭いを出さないという性質もあって、今日でもたばこの味を変えない素材として利用されています。
原料であるアセチルセルロースが難燃性を持つことから、他の素材と組み合わせて防火カーテンなどにも利用されています。
また、透明度が非常に高いので、綺麗に色をつけることができます。 他の石油系の樹脂、ナイロンやポリエステル、ペットボトルの素材などは濁りがあり綺麗な色が出にくいのですが、それら石油系の樹脂に比べると非常に透明度が高いため、鮮やかな色を表現することができます。

また石油系のプラスチックに比べ、透明度があり表面が研磨しやすいため、濡れたような独特なツヤもこの材料の特徴です。
そのため、メガネのフレームにも使われている素材で、自然由来の素材なので熱に弱く、自然変形もしてしまいますが、そのデメリットを活かし、フレーム以外にも靴べらのカーブなどに利用されています。60°の熱で変形をし始めるので、曲げたりねじったりも比較的簡単にできます。
以上の点も踏まえてアセテートのプリーツ加工について触れたいと思います。
ご存じの方もいると思いますが、安価で生産性が高く、プリーツ加工ができるポリエステルは様々な素材に置き換わっていきました。アセテートもそのなかの一つです。
ところが同じ加工をしてもポリエステルとアセテートでは表情が違います。
ドレープ性や光沢感はアセテートの方が強く表現できるので、エレガントなスタイルにはとても相性がいいです。
また、実際にポリエステルのカジュアルな雰囲気に若干飽きてきたという声もここ最近増えているようです。
こちら↓で紹介している中でもアセテートのクリスタルプリーツは美しいのでぜひご注目ください。
アセテート繊維のつくり方
アセテート繊維は、純度の高い木材パルプを硫酸触媒で無水酢酸と化学反応させてアセテートフレークを作ります。
原料フレークから不溶固形物や難溶性ゲルを取り除くために各種溶剤に溶解、ろ過して紡糸原液を調整します。
紡糸直前に加熱された紡糸原液を30~50㎛(マイクロン)と非常に小孔径に制御されたノズルから紡糸筒内の加熱空気中に吐出させ、溶剤を蒸発させながら糸を形成し製造されます。これを乾式紡糸法と呼びます。
聞き馴染みのない言葉があるかもしれませんが、要するに木材パルプを酢酸と化学反応させる→反応物から不純物を取り除いて、アセテートの原料になる液体を作る→細い穴から原液を放出させる間に熱風で乾燥させて糸にする、、
といった感じですね。

マイクロンの話に戻りますが、羊の毛の太さはだいたい↓くらいになります。
ストロングウール 23~25マイクロン
ミドルウール 20~22マイクロン
ファインウール 20~21マイクロン
エクストラファインウール 18.5~19.5マイクロン
スーパーエクストラファインウール 17.5~16.5マイクロン
(マイクロンが大きいほど毛の太さは太くなります)
繊維断面はクローバーの葉のような形状をしています。繊維方向には数本の線条が走っており、この辺りはレーヨンにも似ています。
比重は1.32と毛とほぼ同じです。
以上のアセテートの特徴を踏まえた上でのオススメ素材がこちら↓です!
アセテートストレッチで美しい目面が特徴です!
まとめ
化学的側面の理解となると、謎が謎を呼び難しく感じられるかと思います。
原理的な理解があるに越したことはありませんが、まずは自身の中でアレルギーが起きてしまう前にアセテートってこんな特徴があるんだ!といった理解からまずは始めるぐらいでも良いのではないかと個人的に思います。
そしてぜひ皆さん、THE FLASHが絶賛公開中(6月22日現在)なので劇場にお越しください。
丸安毛糸株式会社はニットのOEMも承っておりますので下記のURLよりお気軽にご連絡下さい。